「形状記憶」と「形態安定」
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「形状記憶」と「形態安定」

2014年05月04日(日)7:58 PM

カーテンの形状記憶加工には2種類あるんです。

カーテンの形状記憶(安定)加工には大きく分けて2通りの手法がありコストや効果の持続性に違いがあります。


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工程 仕上り 効果の持続 オプション価格
形状記憶加工  縫製前の生地を加工 丸みのあるより美しいウェーブ 洗濯3~5回 約5千円
形態安定加工 出来上がったカーテンに加工 やや鋭角的に尖ったウェーブ 洗濯1~3回 約3千円

*どちらも薬品は一切使用せず熱と蒸気を使った加工方法です。


見ての通り「形状記憶」と呼ばれている縫製前の生地に施す加工の方がちょっとコストは高いですが仕上りもきれいで効果も長持ちします。

業界人同士での打ち合わせや商談では「形状記憶」「形態安定」という呼称でどちらの加工法なのか通じるのですがカタログや店頭では各メーカー(販売店)が勝手に付けた呼び名が使われていて名称を聞いてもそれがどちらの加工法のことなのか消費者からみて非常にわかりにくくなっています。

ちなみに大手メーカーの「形状記憶」の商品名の一例をあげると・・・「ファインウェーブ」「パーマネントプリーツ」「ベラプリーツ」「スタイリッシュウェーブ」「リップルフォールド」・・・各社こんな感じで業界標準の「形状記憶」「形態安定」という呼称を使っているのはリリカラ、サンゲツくらいです。

どうしても気になれば購入の際に「この加工は<縫製の前>ですか?<縫製の後>ですか?」と質問されればはっきりします。<前>なら「真空釜」を使った上級加工の「形状記憶」、<後>なら簡易型の「形態安定」であるケースがほとんどです。
*例外として縫製後に加工する「形状記憶」も登場しているようです。



とは言え、お客様から見て一番気になるのは呼び方なんかではなくどちらを選んだら良いのか?という点だと思います。

専門店としてズバリこれにお答えすると「形態安定加工」でも十分だと考えています。
もちろん、ご予算に余裕があればワンランク上の「形状記憶加工」にはコストが上がるだけの品質と満足感があるのは間違いないのですが「形態安定加工」のクォリティは登場当初に比較してかなり良くなっており必要十分だと思っています。

唯一最大の違いはきれいなプリーツ(ヒダ)の持続性ですがこれは少なくとも3回以上洗濯した後に現れてきますのでその時には購入後数年経っているはずです。いずれにしても完全に永久的な物では無いのでユーザーにとってはさほど大きな違いでは無いのかも知れません。

 

既製カーテンの形状記憶は?

「形状記憶」「形態安定」、ともに登場から10年以上が経過し今や当たり前の物となりましたがオーダーカーテンでは「形態安定」が主流となっています。これは1枚ごとに違うサイズ、仕様のオーダーカーテンを加工する場合縫製後にセットできる「形態安定」の方が適しているのが理由です。

逆に、本来は上級加工の「形状記憶」ですが同じサイズ、仕様の物を大量に生産するには「形態安定」よりも適しているため既製カーテンではこちらが主流になっています。

但し、既製カーテンの場合大量に効率よく作ることが優先される都合上、熱加工後の余熱を冷ます工程が充分に取られずすぐにパッケージされて出荷されるため「形状記憶」本来の緩やかな丸みのあるウェーブがきれいに出ていないことが多いようです。こういったところにもオーダーメイドとの差が表れてきます。

 

 

最後にオプションで「形状記憶」「形態安定」を選ばれる際のアドバイスですが、先述のように見た目で大きな違いがあるものではありませんので通常は「形態安定」でも充分だと思います。ただ、ご予算に余裕があれば「形状記憶」には若干コストが高くなるだけの違いはあります。

また、どちらの加工方法も最大製作サイズに制限があり、巾、丈ともにあまり大きなサイズのカーテンには対応できない場合があります。
(どちらの加工も巾は片開きで3mくらい、丈は最大で3mくらいまでが上限です。)

本当は大きなサイズのカーテンこそヒダがまとまりにくいので「形状記憶」ができるとよいのですが設備の関係上限界があります。こういう場合はできるだけしなやかでヒダが暴れにくい生地を選ばれるしかありません。どんな生地が良いかは現場でアドバイスいたしますので遠慮なくお尋ねください。
(巾が大きい場合は加工後に巾継ぎして大きなサイズを作ることができますが非常に手間が増える作業のためコストや納期が大きく変わってきてしまいます)

■「形状記憶」「形態安定」加工品の取扱上の注意

どちらの加工もポリエステルの特性を利用した熱による加工法です。そのため高熱を加えるとリセットされてしまいます。通常のカーテンにも言えることですが形状記憶/形態安定加工品は特に、アイロンや乾燥機のご使用でせっかくのプリーツ加工が消失する場合がありますのでご注意が必要です。

お洗濯の後はごく軽い脱水後、レールに戻して吊った状態で乾かしていただくのが一番よい方法です。

■「形状記憶」「形態安定」加工品の寸法直し

お引越しなどでそれまで使われていたカーテンをお直しする場合がありますが「形状記憶」「形態安定」加工品の場合は丈詰めなどをすると折り返しの関係できれいなプリーツが消えてしまいます。

 







 





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