形状記憶加工
「形状記憶」はした方がよい?
カーテンの「形状記憶加工」。ご説明前にお客様から言われるケースも多くありましてかなり一般認知度が上がったなぁ、と感じています。
ただ、繊維製品の「形状記憶加工」というのはYシャツなど衣類の加工として先に注目されたせいか「カーテンにシワが付きにくくするための加工」と理解されているケースが意外に多いです。
これは決して間違ってはいないのですがカーテンの形状記憶の本来の目的はカーテンのヒダ(「ウェーブ」とか「プリーツ」とかいろいろな呼び方をしますが)を美しく整えるための加工、というのが出発点です。副産物的にシワが付きにくい、という効果もあるのですがもともと期待された効果は美しいプリーツなのです。
また、ご説明すると「カーテンを開けた時にきれいなのね?」と聞かれますがこれも「開けた時に限らず閉めた時もきれい」というのが正確です。
原理はポリエステルの「熱可塑性」という性質を利用したもので簡単に言うと高温でセットされた形を生地が覚え込む、ということになります。(「ポリエステルの…」とあるように原則他の組成の生地には形状記憶はできないのですが今や国産カーテン生地のほとんどはポリエステル製が占めており形状記憶が出来る生地の方が大半を占めています。)
「形状記憶」と「形態安定」
カーテンのヒダをきれいに整える加工には大きく分けて2つの加工法があり仕上りや効果の持続に違いがあります。これについては別なページでご案内しておりますのでぜひご覧ください。
→「形状記憶」と「形態安定」
薬品は使用しておりませんのでご安心ください |
衣類の「形状記憶」「形状安定」「形態安定」についてはカーテンとは違って薬品(アンモニア、ホルムアルデヒド、樹脂)と熱を使う加工のようです。 |
見た目に美しいカーテンというのはやはりヒダがきれいな波型に揃っていることが一つの条件になるのですがカーテンの生地にはいろいろな物があるので中には張りが強過ぎてどう整えても無様に広がってきれいなウェーブが出ずに美しくない生地というのもあります。
(特に遮光や地厚の織物は張りが強くてなかなかきれいなウェーブになりにくい物があります。)
それまでは「デザインはいいけどヒダがきれいに出ない」、という生地は我々販売する側も消極的にならざるを得なかったのですが形状記憶が出来るようになりこの問題は解決、張りの強い生地でもきれいなウェーブを付けて自信を持ってお勧めできるようになりました。
形状記憶が必要ない生地もある? |
すべてのカーテン生地が「張りが強くヒダが出にくい」という物ではありませんので中にはナチュラルな状態でも十分ヒダが落ち着く生地もあります。 |
「形状記憶」のプリーツはある意味人工的で不自然ではあるのですが無造作に開け閉めしても崩れることなく整った状態をキープしてくれるので例えば朝カーテンを開けてタッセルで止めるときなんかもとても楽です。加工が可能な生地を選ばれたのなら付けておいた方がよいでしょう。
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