「カーテンの分け方で値段が変わる?」
今回は総面積が同じオーダーカーテンが分け方によってお値段が変わってしまう??というお話です。
オーダーでカーテンを注文した場合は「両開き」と「片開き」のどちらにするか「分け方」を聞かれます。 「両開き」」は一つの窓のカーテンを中央から2つに分ける、という意味で同じ巾サイズのカーテンが2枚組みで1窓、となります。最もポピュラーな形ですのでほとんどの方はこのイメージだと思います。
両開き
「片開き」は1つの窓のカーテンを真ん中で分けずに繋がった1枚で作ることを言いまして、巾が小さい窓のカーテンの時によく使います。
片開き
オーダーカーテンはこの2種類の「分け方」を指定できて1窓のお値段は「両開き」、「片開き」とも同じ、となるのですがマンションのリビングなど凄く巾の大きい窓の場合なんかは2枚組みの「両開き」では片側のサイズが大きくなり過ぎるので途中で切って3枚組みに、と言われることがあります。 ところが、こうすると場合によってカーテンのお値段が上がることがあるのです!?
カーテンの値段というのは元の生地を何枚継ぎ足して作るか?で決まるのですが、例えば巾6m60cmという大きな窓に生地巾100cmの生地で2倍ヒダのカーテンを作った場合、巾6m60cm×2倍=13m20cmの元巾が必要(実際には左右の端の「耳」を作る分が余分に必要ですが)で、元の生地巾が100cmなら14巾(14m)必要な計算になります。
これが「両開き」の場合、片側の仕上がり巾は3m30cmなので2倍ヒダなら3m30cm×2倍=6m60cm=7巾(7m)の生地を用意することになります。これが2枚組みならばやはり14巾(14m)ですので使用する生地量は変わりません。
ところが、この同じ窓を2m20cm×3枚に分けたらどうなるでしょう?
2m20cmの2倍ヒダだと1枚に必要な要尺(必要な生地量)は2m20cm×2倍=4m40cm=5巾(5m)、になりましてこれを3枚、となると5巾(5m)×3=15巾(15m)、となり「両開き」の場合の14巾よりも1巾余計に必要になってしまうんですね!
何故こうなるかというと、1枚のカーテンを作るのに必要な要尺(生地量)の歩留まりが悪くなってしまうからです。
わかりやすくご説明すると、仕上がり巾2m20cmのカーテンを作る場合2倍ヒダなら先ほどの説明どおり4m40cm=5巾(5m)必要なのですがこの時の余りの60cm分(5m00cm-4m40cm)は使えずにロスになってしまうのです。
先ほどお話したようにオーダーカーテンは決まった生地巾の元生地を横に継ぎ足して作っていくのですがこの60cm分を余ったからと言って継ぎ足していけば余計に継ぎ目が出来て美しくなくなってしまうのです。
左右の仕上がり巾を変えて作る「変則両開き」も同じ理由で場合により価格がアップすることがあります。 「変則両開き」の場合は昼間カーテンを開けている時の左右の「カーテンたまり」のボリュームがアンバランスになるのも私的にはあまり美しくないと思います。 このような理由もあり基本的には巾が大きい場合もレール全長の2分割の「両開き」をお勧めすることが多いです。大き過ぎて洗濯機に入らない、などのデメリットもありますがその辺はお打ち合わせをした上で決めます。
ご面倒かもしれませんがこうした事も既成カーテンとは違ってオーダーカーテンを専門店で注文する楽しみの一つではないでしょうか。