AフックとBフック

AフックとBフック

2014年05月05日(月)11:09 PM

カーテンをレールに吊る時に使われる「カーテンフック」には「Aフック」と「Bフック」の2種類の形があります。
それぞれに目的があってこうした形状の違いがあるのですが普段の生活ではあまり意識されたことが無いと思われますのでちょっとご説明いたします。



カーテンのアジャストフックとスチールフック



「アジャストフック」は名前の通り「フック部分」がカチカチと上下に可動してカーテン丈の微調整ができます。最近は既製カーテンでもこのアジャストフックが使われている物がほとんどになりました。もう一つの「スチールフック」はホームユースのカーテンに使われることは減りましたが学校などのカーテンで見ることがあります。


ご覧の通り「Aフック」と「Bフック」の違いはカーテンレールのランナーに引っ掛けるフック部分の位置にあります。
下の画像で見ていただける通りこの差によって「カーテンがレールの正面に来てレールを隠す」か「カーテンがレールの真下に吊り下がる」かの違いが生まれます。

カーテンAフックとBフックの違い


ちなみにレールを「隠す」か「隠さない」か、というのは選んで決める物では無くて「どんなレールがどういう形で付いているのか」によって半ば自動的に決まる決まりごとになっています。ですのでマンションなどで既にレールが付いている場合はフックタイプを選ぶことは無いですがこれからレールを付ける、と言う場合にはレールを選ぶことで間接的にフックタイプを選んでいることにもなります。

フック下寸法(カン下)と総丈
ちょっとややこしいのですがカーテンの仕上り丈は通常フック下の寸法(カン下)で表します。

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AフックとBフックではフック上の寸法が違いますので仕上り丈(カン下)が同じでもカーテンの全長(総丈)は違ったものになります。

アジャストフックはフック位置が自由に移動できますがAフックで作ったカーテンのフック位置をBフックに変更するとフック上に生地を上げた分カン下が短くなってしまいます。
このため例えアジャストフックであっても最初に決まったフックタイプを後から変えることは出来ません。






■AフックとBフックの特徴

  カーテンの位置 ヒダ カーテンの動き レールタイプ
Aフック レールの真下 きれいに出やすい スムースに開け閉めしやすい カーテンBOX、装飾レール
Bフック レールの正面 まとまりにくい 開閉の際引っかかりやすい 機能レールの正面(壁)付



それぞれのヒダのまとまりやすさの違い

それぞれのヒダのまとまりやすさの違い



Bフックのメリットは「カーテンを閉めたときレールを見せなく出来る」という1点だけで、それ以外は基本的にAフックが優れています。
(どうしても低めの位置にしかレールが取り付けられない場合、Bフックの方が光漏れを軽減できる、というメリットをご提案することはあります)

カーテン専門店の本音としては売上UPというよりはカーテンをよりきれいに吊っていただきたいという理由から機能レール(Bフック)よりも少しだけコストUPになりますが装飾タイプのレール(Aフック)をご検討いただきたいと思っております。

ちなみによく注意してご覧になるとわかりますがカーテンのカタログ写真などはほぼ間違いなくAフックの吊り方で撮影されています。やはり商品を良く見せるにはAフックが適している、ということなのです。




「機能レールってそんなに見苦しいかな?機能レールだけどAフックにしてもいいのでは?」と思われた方もいらっしゃると思います。おっしゃる通りで一昔前とは違って今の住宅用機能レールはカラーやデザインがとても良くなっています。ただ、それでも機能レールに付けるカーテンをAフックで作った場合は見る人が見れば「おかしい」となってしまうのでやはり専門店としてはお勧めはしづらいです。

機能レール

昔からあるタイプの機能レール

ネクスティ

最新の機能レール


*例外的に機能レールでも天井近くの高い位置に取り付ける場合はレールはあまり視界に入ってこないのでカーテンをAフックでお勧めすることもあります。


一戸建ての場合は大半のお客様がリビングには装飾レールを選ばれることが多いですが中には装飾レール自体があまりお好きでない、という方がおられます。そうした時にはカーテンBOX調の見た目で元からレールが見えないバランススタイルがお勧めです。

バランス付






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