シェードは壊れやすい!?
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シェードは壊れやすい!?

2014年05月06日(火)5:03 PM

お客様とのお打合せで「シェードにはあこがれるけど壊れやすいということはないですか?」という質問をよく受けます。

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もちろん、カーテンとは違い機械的な構造を持ちますので絶対に壊れません!とは言えないのですがシェードの故障はお客様が心配されるほど多くはない、と思います。

デメリットというか欠点やマイナス例についてはあまり説明されていることは多くないと思いますのでシェードスタイルをご検討中のお客様のためにここではあえてシェードの代表的な故障、トラブル例と修理、対応方法についてちょっとご説明します。ご覧になられてシェードにするかカーテンにするか、ご判断の参考になればと思います。





■コード式

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コード式のシェードは手元の操作コード(紐)がヘッドレール内を通って生地の裾の錘(ウェイトバー)につながっていてこのコードをストッパーが任意の位置でロックすることにより好きな位置で止めることができるようになっています。

シンプルな構造で比較的小さなサイズに適したコード式シェードの場合、一番発生頻度が高いトラブルは「ストッパーの不具合」です。

コード式の「ストッパー」

コード式の「ストッパー」



シェードは生地を上下に昇降させて好きな位置で止めることもできるのですがストッパーに不具合が起きると止まりにくくなったり全く止まらなくなったりします。

シェードストッパー2

これはストッパーのギアの摩耗や経年劣化が原因で、直すにはストッパー自体の交換が必要になります。
ではどのくらいの期間で不具合が起きるのか?というと一概に言えずパーツの当たり外れによる部分が大きい、と言わざるを得ません。
(これはインテリア製品に限らずどんな工業製品にも共通だと思います・・・)

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しかしいくらなんでもこのご説明では不安になってしまうと思いますので私の経験上のお話をすると、いわゆる「当たり」のメカの場合は10年以上使われた物でもストッパーは正常に機能していることが多いです。では「外れ」の場合は?というと大体1年~3年ほどで異常が出て来ることが多いようです。ただし、全体の中で「外れ」の部品の比率は決して高くはなく滅多にない、と捉えて問題はないです。

もし、コード式のシェードでストッパーの効きが悪くなった場合は部品交換が必要です。作業としてはヘッドレールからストッパーを外し、中を通っている昇降コードを抜き取って新しいストッパーに通し直してヘッドレールにセットし直す、という物になります。

*一時期の某大手メーカーのコード式シェードストッパーは非常に不具合が多くこれについては最近まで保証期間外であってもメーカーが無償交換対応をしていたようです。(*現在の対応についてはお買上げのお店にご確認されることをお勧めします)
これは業界内では有名な話でかなりの出荷台数がありましたので、もし以前にコード式シェードでトラブルを経験された方はこの部品に当たった可能性が高いです。これはいわゆる「リコール」でTOPシェアのメーカーの製品だっただけに多くのユーザーへシェードメカへの不信感を植え付けてしまったのは業界にとって大きな損失でとても残念です。ただ、こうしたケース以外では心配されるほどストッパートラブルは多くはないです(モデルチェンジから10年近く経ちますが現行の機種で同様の問題が起きたケースはほとんど聞きません)。

 
現在多くのカーテンメーカーが採用し、国内のシェードメカで圧倒的なシェアを持っている(ファンテックスでも採用しています!)TOSOの「クリエティ」というメカは登場してずいぶん経ちますがコード式のストッパー不良は今のところ聞いたことがなく非常に信頼性が高い機種です。





■ドラム式
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ギアによる巻き上げ機構を持つドラム式の場合はトラブルの大半が巻き取りドラム内のコード絡みによる昇降不能です。
これは原因がはっきりしていまして現場を確認してみるとほとんどのケースが障害物などで昇降コードが緩んだ状態での操作がトラブルのもとになっています。

ドラム式(ダブルタイプ)のメカ

ドラム式(ダブルタイプ)のメカ


「ドラム式」は操作チェーンを引くとヘッドレール内のシャフトが回転してシャフトにセットされた巻き取りドラムに昇降コードを巻き取っていくことで昇降動作をする仕組みになっています。


ドラム式は構造上昇降コード(生地の後ろ側にあるコード)には常に幕体(生地)の自重でテンションが掛かった状態で操作する前提となっておりこれが緩んだ状態で操作してしまうと巻き取りドラムにきれいにコードが巻き取れず最悪絡みついて動かせなくなってしまいます。



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「コードが緩む」原因で一番多いのは昇降途中に障害物(テレビ、ソファ、ベッドなど窓際に置かれた家具)があり、幕体の裾のボトムバーが障害物の上に載って昇降コードがたるんだ状態になってしまうケースです。これはシェードの昇降途中の障害物を除いてあげれば解決します。

もう一つは必要以上に勢いよく上げ下げした場合ですが昇降コードがたるむほど勢いよく操作されることはあまりないハズですし、少々早く操作したくらいではコードの巻き乱れは起こりません。

逆にこれさえ気を付ければほぼトラブルレスで使えます。

■万一、ドラム式のシェードでコードが絡んで動かせなくなってしまった場合は一度本体を取り外してヘッドレールからシャフト、巻き取りドラム、コントローラなどを外し、絡んだコードを解いてセットし直す、という作業が必要になります。個々の部品が壊れたりしている訳では無いので仕組みがわかっている人間ならばその場で短時間で修復できてしまうのですがエンドユーザーであるお客様がご自分で修理するのは難しいかもしれません。特に下降ブレーキとクラッチの向きを間違えて組み上げると正常な昇降が出来なくなります(正しい向きに組み直せばいいだけなのですが)。



今のメカは少々の緩みならコードガイドが働いてきれいに巻き取っていくのですが残念ながら完全にトラブルレスとは言えません。
ただ、この問題は昇降コードのテンションが緩んでいる時には操作ができないようにロックしてしまえば対策になるのでいずれどこかからそうした商品が登場するのではないかと思っています。(ニチベイのプリーツスクリーンには似た働きをする機構が組み込まれています)

 


■保証期間は?

保証については多くのカーテンメーカーで期間を1年としていましてこれを過ぎてしまうと原則有償修理となってしまいます。
修理代は部品代+出張作業費になり、コード式の場合は部品(ストッパー)は千円くらい、ドラム式の場合は部品には問題が無い事がほとんどですが作業費は安くても数千円かかります。

ファンテックスではシェードに安心の3年保証を付けています!
期間内なら万一トラブルが発生しても無償で修理対応いたします。
*無料出張エリア内のみ


コード式、ドラム式ともにシェードの故障・トラブルの大半は仕組みさえわかっていればさほど難しくは無い作業で修復できるのですがカーテンメーカーの人間や大型販売店の担当者は「直し方がわからない」、という人がほとんどで機械部分のメーカー経由で“わかっている”人間を派遣して修理対応するため主に人件費で高額な修理費用が発生します。ファンテックスでは無料主張エリア内なら保証期間終了後でも安価な部品代、出張費のみでアフターサービスに対応いたしますので安心してお任せください。


 



■それ以外のトラブル

コード式、ドラム式、それぞれ上に挙げた物が故障、トラブルの大半ですがこれ以外のトラブルではメカタイプに関わらずいくつか挙げられます。

・昇降コードの外れ、抜け落ち

これは何かの拍子にコードキャッチから昇降コードが外れてそのまま操作してしまい問題が起きるケースです。
*「コードキャッチ」とはシェードの生地裏側を通ってきた昇降コードを裾のところで固定している部品です。

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多くの場合お洗濯しようとしてうっかり、という状況が多く、完全にコードが抜け落ちたり、ヘッドレール内に巻き込んでしまうとやっかいですが「おかしいな?」と思ったら操作する前に後ろ側を確認してあげれば防げます。万一コードが抜けてしまった場合も壊れている訳ではないので元通り通し直してあげれば直ります。

・水平レベルの狂い

やはりお洗濯の後が多いのですが何かの拍子に生地を吊り上げているコードの水平が狂ってしまい上げた時に斜めになってしまうことがあります。これも根本的に故障しているわけではありませんので直すのは簡単です。シェードの後ろ側のコードキャッチのところで各コードの長さを調整して水平を取ります。

ファンテックスのシェードはお洗濯も簡単にできるよう着脱が容易なe型リングテープを採用しております。
コードキャッチからコードを外す必要が無いのでコードの抜け落ちや水平レベルの狂いは起こりません。

e型リングなのでコードキャッチは付けたまま生地を外せます。

e型リングなのでコードキャッチは付けたまま生地を外せます。

 

・プレーンシェードのヒダがきれいに出ない

これはトラブルとはちょっと違うのですが時々ご相談を受けますのでご紹介します。
プレーンシェードの仕組みを知っていただくと納得されると思いますがプレーンシェードは生地の裏側のリングテープのところで生地を吊り上げて行くことでヒダができます。ご想像は難しくないと思いますが厚み、張り感、重さなど特性の違ういろいろな生地で同じようにヒダが出ることはありませんし、吊りあげた時にヒダがきれいに出ない、ということも普通に起こり得ます。これについてはメカや縫製のトラブルではないのです。
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この現象の有効な対処法ですが昼間シェードを上げているときにヒダが乱れていたらクシャクシャになったままにしておかずちょっと手で直してあげてください。そうすると正しい位置で生地がたたまれていくクセが付きますのでだんだんクシャクシャになることが少なくなっていきます。
*生地にもよります。張りのある固めの生地の方がクセが付きやすくしなやかで柔らかく軽い生地はクセが付きにくいです。

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これがどうしても気になる、という場合は生地の裏側にバーを縫い付けるスタイル「シャープシェード」を選ばれたりオプションの「形状記憶」を付けていただく、という選択肢もあります。

シャープシェード

シャープシェード

 

形状記憶シェード
ファンテックスではプレーンシェードの生地にオプションで「形状記憶加工」をすることができます。
「形状記憶シェード」はヒダの乱れとは無縁で使い始めた時から美しいウェーブのヒダが楽しめる手間いらずのスタイルですのでぜひご検討ください。

「形状記憶シェード」の通販も行っています。詳しくはこちらを → ”ファンテックスの通販ページ「形状記憶シェード」

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カーテンには無いシェードのメリット

ここまであえてシェードのトラブルについてご説明しましたがいかがでしょうか?カーテンにはそもそも昇降などの機構が無いので機械的なトラブルとは無縁ですがシェードスタイルにはカーテンに無い多くの利点があります。

①すっきりとした見た目
②空間を広く使える
③窓の前に家具を置いても操作コード(チェーン)さえ手に取れれば開け閉めできる
④西日を避けたい場合など全閉しなくても高さを調整して明るさの調節ができる

上に挙げたことの他にもう一つ、「価格の中の生地代の比率が低いのでワンランク上の生地を選びやすい」という点も見逃せません。どういうことかと申しますとプレーンシェードやシャープシェードの場合カーテンに比べて製作に必要な生地のm数が少ないので上のクラスの生地を選ばれてもカーテンの場合ほど価格が跳ね上がらないのです。

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こうしたメリットとトラブルの発生率を考慮すると「シェードには故障のリスクがあるから選ばない」と言うほど警戒しなくても良いと思います。



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