シェードのヒダがきれいに上がらない!
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シェードのヒダがきれいに上がらない!

2014年06月03日(火)9:58 PM

先日某メーカーの担当者と話していたところエンドユーザーから「プレーンシェードのヒダがきれいに上がらない」というクレームが来るケースが非常に多い、という話を聞きました。

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これはお使いになられたことがある方にはお分かりだと思いますが「自然な状態のプレーンシェードのヒダは常にきれいに上がるとは限りません」というのが本当で生地や縫製が悪いという事では無いのです。

「えぇ!?そうなの?」と思われたでしょうか?
でもプレーンシェードの構造をご説明すれば「なるほど!」と思っていただけると思います。

プレーンシェード(他のシェードスタイルも同様ですが)は一定のピッチで設定された点で生地を吊り上げることでヒダが出来ています。

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もちろん、吊り上げる点は水平に揃えてありますが大きな布をいくつかの点で吊り上げた時に“必ず”崩れずにきれいなヒダが生まれるか?と言えば答えはNOです。吊り上げの間隔も出来るだけきれいにヒダが出やすいように設定されてはいますが自然な状態の生地を裏側から点で吊り上げればどうしてもクシャっと崩れたヒダになることも少なくはありません。

この点も踏まえて“ナチュラルにたくし上げるスタイル”がプレーンシェードなのです。

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しかし、これはメーカーにも責任があると思うのですがカーテンカタログではヒダが崩れたシェードの写真を載せることは決して無くて撮影前にスタイリストが見栄え良く整えたものだけが掲載されています。それを見て出来上がりをイメージしたユーザーにとっては「これは何かおかしいのではないか?」と思ってしまっても無理は無いことかもしれません。それでも我々最終的にエンドユーザーへ販売する側が事前説明をできていればご納得をいただける場合がほとんどなのですが量販店などの売り場では販売員にそこまでの知識が無いことも多く、結果としてこうした誤解がクレームとしてメーカーへ上がって行きます。

前述のメーカーさんの話ではまず構造的な部分からご説明をしてご理解を得られるようお話しするのですが販売店やインテリアコーディネーターからそういった説明がされていなかった場合が大半なのでお客様とのお話が平行線になってしまうことも多く、場合によっては製品を作り直して再納品することも多いそうです。

製品的に問題が無いのに作り直す、という対応にも驚きましたがこの場合例え再納品しても何ら解決策にはなっていないので出来上がった製品はやっぱり同じように時にはヒダが崩れるハズなのです。そのことを言うとほとんどの場合、「そこまでしてくれたのだから…」とお客様が矛先を納めて下さるそうです…。

何とも不毛なことで資源の無駄使いでもありもったいない話です。プレーンシェードのヒダはクシャクシャになることも多々あります!とカタログ写真などでもっとアピールすれば良いのでしょうが売り上げが減っては困る、ということでそれも難しいようです…。




実はこの問題の解決策は二通りあります!

一つは日ごろの昇降の際ちょっとしたお手間をかけていただきシェードの生地に癖をつけるという方法で生地によっては1か月もするとかなり崩れにくくなってくれます。

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そしてもう一つはクシャクシャにならないスタイルを選ぶ、という方法です。

プレーンシェードと似ていてヒダがクシャクシャになることが無いスタイルとしてまず「シャープシェード」というスタイルがあります。

シャープシェード

シャープシェード


「シャープシェード」は生地裏側にバーを縫い込み、このバーに沿って強制的に直線的なヒダが出来るのでプレーンシェードのようにナチュラルにランダムなヒダになることはありません。

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プレーンシェードとシャープシェードの比較はこちらをご覧ください→「プレーンシェードとシャープシェード」

もう一つ、スタイルはプレーンシェードでありながらヒダが崩れることが無い物に「形状記憶シェード」があります。

「形状記憶シェード」はあらかじめ吊り上げる部分に熱加工でウェーブを記憶させているので面倒な手間をかけずに納品当初からきれいなヒダが楽しめます。

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「形状記憶シェード」についてはこちらをご覧ください→「形状記憶プレーンシェード」

シェードの「形状記憶」はシェードスタイルのオプション加工ですがまだ対応していないメーカーも多くどのお店でも必ず対応可能という物ではありませんが未加工品とは全くと言ってよいほど違ったヒダが出てとてもきれいなスタイルです。
(ただし、残念ながら縫製前の生地に行う加工となりますので出来上がったシェードに形状記憶をすることはできません)



形状記憶シェード、シャープシェード、どちらもご注文前に指定しなければならず「出来上がったシェードを使ってみてヒダの乱れが気になった」、という場合には根気よく使いながらクセ付けをしていくのが唯一の方法になります。

と言っても、生地によってはなかなかクセが付いてくれないものもあります。乱暴に聞こえてしまうかもしれませんが、多少ランダムなヒダができることも含めてナチュラルな持ち味を楽しんでいただくスタイルがプレーンシェード、ということになります。特に麻や綿などが入ったナチュラルなテイストの生地ではあまりに整い過ぎているよりも少々ファジーなヒダの方が似合うように思いますがいかがでしょうか?




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