天付?正面付? メリットとデメリット
ブラインドやシェードなど、インテリア業界で「メカもの」と呼ばれるタイプのアイテムを窓に取り付ける場合、「天付」と「正面付」という二通りの付け方があります。
窓枠内に取り付ける「天付」 | 窓枠を外から覆うように取り付ける「正面付」 |
それぞれどういったメリットとデメリットがあるのか簡単にご紹介します。
天付 |
窓枠の中に「メカもの」の本体を納める取り付け方です。
・壁からの出幅がゼロ
・開けたときの「たまり」が開口部に残る
・上下左右に隙間なく取り付けることは出来ないので平均して5mm程度の隙間(クリアランス)ができる
正面付 |
窓枠より一回り大きく作った「メカもの」を外から窓を覆うように取り付ける付け方です。
・上げたときの「たまり」を上に逃がして付けることが出来る(十分な高さまで下地がある場合)。
・窓サイズより一回り大きく覆うことで閉めた時に光漏れが少ない。
・各アイテムの「厚み分」壁からの出幅が必要
「天付」のメリットは「正面付」のデメリットに、という具合にそれぞれ対称的になってきますので一概にどちらがいい、とは言えません。
■「正面付」のシェード
■「天付」のブラインド
ただ、これで終わっては量販店の接客と変わらなくなってしまいますのでもう少し突っ込みます(笑)
「天付」おすすめシチュエーション
・収納の扉などが干渉する場合
これは割とよくあるケースで出幅がゼロという天付のメリットが発揮されるシチュエーションです。
・高い位置にある窓
天付のデメリットの一つは上げたときの「たまり」ですが床から2m10cm以上あるような高い位置の窓の場合このデメリットはそれほど気なりませんので出幅ゼロですっきり納められる天付をご提案します。
・壁から出っ張らせたくない場所
よくあるのはお部屋の入り口がちょっとだけ短い廊下状になっていてその側面に窓がある場合。
廊下(通路)になった個所の幅は多くの場合70~80cmと最小限に作られることが多く側面から数cmの「メカもの」の厚み(出幅)がとても邪魔になります。
同様に2Fの廊下からバルコニーに面した窓にバーチカル(縦型)ブラインドを付けるような時も断然「天付」がお勧めです。
・窓際に家具を配置する場合
2Fの個室は勉強机、ベッド、チェスト、などの家具を置くことが多くなり配置上どうしても窓の前になることも。ファンテックスでは大まかな家具の配置予定などもお聞きしながらご提案していきます。
「正面付」おすすめシチュエーション
・寝室などでお客様がなるべく光漏れの無い形をご要望の場合。
これも現地でヒアリングしながらお打ち合わせしていき、あわせて光が入りにくい仕上がりサイズや遮光など生地の機能面のご提案もいたします。
・窓を大きく見せた方が良い場合
リビングの掃き出し窓にバーチカル(縦型)ブラインドを付ける場合など天付でコンパクトに納まっているより正面付で一回り大きく見せた方がカッコよく、バーチカル(縦型)ブラインドが引き立ちます。
また、和風の建築などでサッシ丈が70cm未満の窓に取り付ける場合は特にシェードの場合たまりが20cm弱になりますので開口部がスポイルされてしまいます。
・これはやめた方がイイ?
やむを得ずそうせざるを得ないケースもあるのですが同じお部屋の中で天付と正面付が混在するプランはできれば避けた方がよいです。特に方角や高さサイズが同じ窓で片や天付、片や正面付、となるとどうしてもチグハグに見えてしまいます。
・アイテム的には?
基本的には現場ごとのシチュエーションによってケースバイケースなのですがアイテムによって「天付」、「正面付」との相性もあります。
天付 | 正面付 | ||
プレーンシェード | △ | 〇 | タタミ代が大きくなるスタイルなので正面付で上にタタミ代を逃がしてやるとよい。 |
ロールスクリーン | 〇 | 〇 | タタミ代はもっともコンパクトなので天付がすっきりしてよいが左右の隙間は大きめになります。 |
ブラインド・プリーツスクリーン | 〇 | △ | どちらかというと天付で枠内にすっきり納めた方がきれい。 |
結構長くなってしまいました(汗)
現地のお打ち合わせでは普段こんなことをお客様とお話ししながらカーテンプランをまとめております。
言われれば「ああ、そうだな」ということでも自分たちだけで決めるとなると意外に気付かないことも多いと思います。
量販店では「「天付」、「正面付」どちらになさいますか?」だけでそれ以上のことを言ってもらえないことも実際あります!カーテンのご相談は是非当店へお声掛けください。
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